「小児病院のバイオリニスト
-難病の子どもたちが教えてくれたこと」
高橋利幸著 パレード社 ¥1296
F1をはじめとするレーシングの世界を追い求めていた著者の高橋さんは33歳でくも膜下出血を発症し、生死の境をさまよう。厳しいリハビリの末にレース業界に復帰するも、激務により再発。レースエンジニアの夢を諦めざる得なくなる。重度の嚥下障害と顔部腫瘍(進行期の腺様のう胞ガン)という二度の闘病生活の中で、パワフルな英語教師とバイオリンという運命的な出会いをきっかけに、神奈川県立こども医療センターでのバイオリン演奏が叶い、難病や障害を持った子どもたちと絆を深め前に進もうとする。(本の収益は全額その「神奈川県立こども医療センター」に寄付されるそうです)
ある意味強者の生き方をしていた著者が、死と隣り合った絶望のなかから、人間の優しさを発見し、「病気も神様からの贈り物」と言い切るまでの変化。病気と二人三脚の私たちにも多くのことを語りかけてくれる様に思いました。